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INTERVIEW

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Vol.78 JIRO WEBインタビュー

セットリストの考案に始まり、演出やグッズ制作にも関わるなど、今やGLAYのライブ制作に欠かせないJIRO。5月12日にキックオフする「GLAY LIVE TOUR 2019 -SURVIVAL- 令和最初のGLAYとHEAVY GAUGE(※1)」に向けて、今回はJIROにGLAYのライブ制作にまつわる「いろは」をインタビュー。セットリストの決め方や演出に対するスタンス、温めているグッズのアイデア、さらには今回のホールツアーの見どころ(一部ネタバレを含みます)まで、JIROのライブ観を改めて紐解いた。

2019.04.18

初歩的な質問から始めますが、JIROさんがセットリストを考案するようになったのは、いつ頃からですか?

JIRO
GLAYって、グラフィックデザイナーにしてもフォトグラファーにしても、その道のプロがいたら基本その方に委ねて、自分たちに変化をもたらしてくれることを望んでいるんです。コンサートに於いても、たくさんの人の力を借りたいと思っているし、元々そういうスタンスでやってたんですね。ただ、2006年に以前の事務所から独立したとき、当時のステージプロデューサーたちとお別れすることになって。今の舞台監督(※2)の南谷(成功)さんとはそのときからの付き合いなんですが、「どんな感じでやっていったらいいですか?」って最初に話をしたとき、「私たちはメンバーのみなさんがやりたいことに100%応えていきます」「だから、どうぞご自由に考えて下さい」みたいな感じだったんです。

自分たちからアイデアを出すよう促された。

JIRO
2006年といったら、外から見れば実績のあるバンドだと思われていたでしょうし、「そうか、俺たちが方向性を示さなきゃいけないんだ」と。そのときに他のメンバーが相変わらず「なんでもいいよ」っていうスタンスだったので(笑)、だったらそこは俺の役割なのかなと思ってやり出したことから始まったんです。元々セットリストとかを考えるのは嫌いじゃなかったから。

現在、JIROさんはどのような形でライブ制作に関わっているんですか?

JIRO
俺はあくまでもセットリストのみですね。演出に関しては、ある程度セットリストを決めたところで、メンバーやスタッフに「これにハマる演出方法とかがあればプレゼンしてください」っていう進め方です。たとえばTERUが「もうちょっとここでこういう演出が欲しいな」と言うと、じゃあ、そのアイデアをもとにセットリストをこう変えようとか。側(がわ)というよりも、演奏している僕らが光を放つことが第一だと思うので、演出に関しては「予算の許す限り、消防法の許す限りで、あとはお願いします」みたいな漠然としたことしか言わないんです。

セットリストを決めるときは、どこから考え始めるんですか?

JIRO
今回のホールツアーに関しては「HEAVY GAUGE」を中心に考えて、そこに新曲を加えていくと、もうボリュームMAXみたいな感じなのであまり迷ってないですけど、アルバム単位じゃないツアーのときは、まずメンバー3人に「何かやりたい曲ある?」って聞くんです。あとは過去の幾つかのツアーからファンの人たちの人気曲をリサーチして、そこから考え始めることが多いかな。

そうやって集まった曲をパズルのように組み立てていくという作り方?

JIRO
そうですね。

そのパズルを組み立てていく際に心掛けていることは?

JIRO
まずは自分たちが新鮮であること。人気があるからといって毎回やってたら、ありがたみがなくなるというか、ファンの人たちもそうだと思うんです。だから、敢えてこの曲はやらないというルールを設けていたりします。

他にも意識していることはありますか?

JIRO
2年前に体調不良でライブを休んでしまったことで、今闘病中で行けないとか、なかなか日程が合わないとか、自分の街まで来てくれないとか、GLAYのライブに来られない人たちがいるんだということを以前より強く意識するようになりました。熱心に毎回チケットを獲って来てくれる人は「またこの曲やってる」と思う気がするんです。だからか、ライブ後のアンケートの「やって欲しい曲」を見ると、鉄板の人気曲か、もしくはなかなかやらない曲を「やってくれ」と言わんばかりに書いてある。以前は、そういうマニアックな曲も意識してセットリストに入れていたんですけど、病気以来、人にはそれぞれのタイミングがあるんだなと思うようになって。それこそ子育てしていて、やっとライブに来れましたっていう人もいるかもしれないし。

キャリアを考えると、10年ぶりに来ました、20年ぶりに来ましたっていう人もいるでしょうし。

JIRO
そうなんです。そういう人たちにマニアックな曲を聞かせてもなぁということも考えるようになってきて。その辺はバランスよく作っていきたいなと思ってます。

ライブ作りに関してターニングポイントになった自分たちのライブはありますか?

JIRO
2004年にUSJで「GLAY EXPO」(※3)をやったときに、エンタテインメントですごいものを見せようというのは、俺たちのスタイルとちょっと違うんじゃないかなと思うようになりました。すごいことをやりたいと思ってるんですけど、それが最優先にならなくてもいいかなというふうに俺はどこかで思ってます。

アミューズメントパークのような大掛かりなライブばかりじゃなくてもいいと。

JIRO
そうです。GLAYのお客さんってもっと違うところを見てるんじゃないかと思って。メンバー同士の楽しそうな掛け合いとか、純粋に楽曲とか演奏とか、あとはファンのみなさんに「自分たちのことを思ってくれてる」と伝えることとか、そっちの方が大事なんじゃないかと思ってるんです。なので、今もライブの打ち合わせをしているときによく言うんです。「技術的にセットの照明のココがこう動いたことが最新なんです」ってプレゼンされても、ライティングの角度が何度変わったからと言って、そもそもそこをわかる人がそれほどいなかったら意味がないと思うから「俺たちに合った、もうちょっと違うやり方をしなきゃいけないんじゃないですか」って。技術者としては最先端のことを試してみたいだろうけど、そこに莫大な予算をかけても違うと思うし。

ライブに向けて準備をしていく際、いちばんの悩みどころは何ですか?

JIRO
新曲ですね。今回もそうなんですけど、セットリストが決まったあとに、「リリースがこの日に決まりました」って新曲が出てくる(笑)。今回の新曲で軸になるのは「愁いのPrisoner」と「YOUR SONG」(※4)だと思っていたので、その2曲をベースに考えていたんです。だけど、TERUの新曲や、TAKUROが書いた「元号」も入ってきますとなって、「それ、ツアーでやらなきゃいけないよなぁ」と思って。メンバーへの一斉送信メールで「新曲やるよね?」って送ったら「そうですね……」みたいな感じで返ってきて。そうなると新曲扱いが4曲になってきて、セットリストのバランスが変わってくるなぁって。

新曲をアンコールの1曲目でやればいいっていうものでもないでしょうし。

JIRO
アンコールの1発目の和やかな空気のときに「新曲できたんで聞いてもらっていいですか?」っていうのはやりやすいんです。でも、GLAYあるあるで、やると決まったあとに、そのライブ演奏を撮影して次のシングルの特典に入れます、っていうのが出てくるんです。そうすると「あれ!? 俺たち、物販のTシャツ着て出ていていいんですか?」「……あ!」っていうのがよくあって(笑)。

しかも、新曲が複数になってくると、なおさら演奏順に悩むことになる。

JIRO
そうなんです。どれか1曲やらないっていうのも変だし、どれかやるなら全部やらないとっていう。これは本当GLAYあるあるです。

JIROさんはグッズ製作にも関わっていますが、プロデュースしたグッズで特に思い出深いモノは?

JIRO
眼鏡やサングラスです。いざ作るとなって打ち合わせを始めたら、「ここのパーツはどうしましょう?」とかすごく細かくて。ツルの部分のサンプルが最初にできあがってきたんですけど、紙とかPC上で見ていたものが立体になるとこうなるんだっていうギャップもあって、かなり時間をかけたんです。完成までに1年くらいかかったし、こだわりも強かったぶん、実際にモノがあがってきたときは嬉しかったですね。

今、グッズに関して温めているアイデアはありますか?

JIRO
復刻ものですね。90年代のツアーで作っていたTシャツなんですが、僕のラジオ番組に「生地がヨレヨレで着たくても着られないから、そろそろこれの新しいのを作って下さい」っていうメッセージをもらったんです。そのときに「なるほど、そっか」と。そのTシャツは色違いのヴァージョンを過去に出したことはあったんですけど、純粋な復刻はこれまでしたことがないんですよ。だから、そのTシャツ以外でも、人気が高かったアイテムはタイミングを見て復刻しようかなと考えてます。

JIROさんが観たライブの中で、GLAYのライブに影響を受けたライブやライブ映像作品はありますか?

JIRO
いちばんブッ飛んでいて影響されて、それを反映させたいと思ったライブ映像はコールドプレイ(※5)がサンパウロでやったライブですね。野外でやってるんですけど、1曲目から全部出しみたいな。紙吹雪、花火、レーザー、風船……とにかくすごくて。「ここにいる人たちはとんでもなく幸せなんだろうな」「なるほど。エンタテインメントってそういうものなんだよな」と思って。なので、8月のメットライフドームに関しては、ブッ飛んだモノをやりたいと思ってます。

エンタテインメント性の方を重視したライブをめざそうと。

JIRO
でも、コールドプレイと同じことをしようというんじゃないですから。ファンの人たちがその空間にいて、とんでもなく幸せだなあって思ってもらえることが重要。夏のメットライフドームは暑くて虫がすごいっていう噂を聞きますけど、それを吹き飛ばすような「来て良かったな」って思ってもらえる2日間にしたいんです。

コールドプレイは、LEDで光る「ザイロバンド」(※6)をライブで初めて採用したことでも知られていますが、GLAYも採り入れたことがありますよね。

JIRO
俺たちは90年代の頃から、サイリウムやペンライトは嫌だって言ってたんですよ。そこにこだわってずっとやってなかったんですけど、2014年の「GLAY EXPO」(※7)で初めてやって。あのときはそのライブでプロデューサーをお願いしてた方から「やってみようよ」と言われたんですが、最後まで反対したんですよ。今までやってきてないからファンの人たちが戸惑うんじゃないか、ファンの人たちを裏切ることになるんじゃないかって。でも結局、熱意に押されてやったんです。そしたらすげえ綺麗で(笑)。「GLAYも光り物やるんだ」ってあのとき思った人たちも、周りを見て「うわ、きれい」と思ったんじゃないかな(笑)。

ザイロバンドはコンピュータで光をコントロールするので一体感があってきれいなんですよね。

JIRO
そう。そのあとに台湾や香港でライブをやらせてもらったときも、サイリウムがすごくて、やっぱりそれも綺麗なんですよね(笑)。だから、2014年に採り入れてから、意識はかなり変わったと思います。でも、やっぱり光り物は、照明演出の妨げになるので今もNGにしてるんです。

改めて、5月から始まるホールツアーのコンセプトを教えてください。

JIRO
過去の「HEAVY GAUGE」(※8)というアルバムを振り返ることがコンセプトなので、「HEAVY GAUGE」に関しては全曲やろうと思ってます。

アルバム再現ライブという感じになるんでしょうか。

JIRO
そこは見てのお楽しみですね。ただ、今もよく演奏している「Winter, again」(※9)とか、アルバムの中の1曲という趣向で演奏されると、いつもと違うように聞こえてくるんじゃないかなと。当時のことを思い出す方もいるかもしれないですね。寝ながらでも弾ける「Winter, again」ですけど、それを今回演奏したときにどういう気持ちになるのか、自分でも楽しみにしてます。あとは、さっきも言ったように新曲がいっぱい入ってくるので、それがどうちりばめられてるのかっていうところを楽しみにしてもらえたら。

最後の質問です。ずばり、JIROさんにとって「ライブ」とは?

JIRO
難問ですね。なんとなく漠然とした思いはあるんですけど、それをどう言葉にしていいかわからない。ただ、俺はライブをやってないとすごく不安になるんです。本当にGLAYのメンバーなのか?と思っちゃうくらい自信がなくなっちゃうし。

ライブをしてないとGLAYでいられなくなる、みたいな。

JIRO
そう。だから怖くなるんです。前回のツアーから3ヶ月くらいしか経ってないですけど、その間にTERUはレコーディングをやってるし、HISASHIはACE OF SPADES(※10)で動いてるし、TAKUROもソロアルバムを出してて。そんな姿を見てると俺だけ何もしてなくて、ちょっとヤバイなと思って。だから早くライブがやりたいです。早くやってみんなにチヤホヤされたい(笑)。そしたらすぐ、みなさんの知ってるJIROに戻ります。

文・猪又 孝
※1:GLAY LIVE TOUR 2019 -SURVIVAL- 令和最初のGLAYとHEAVY GAUGE
20年の時を超え、GLAYを代表するアルバム「HEAVY GAUGE」の名を冠した、新元号初の全国ホールツアー。5/12(日)静岡市民文化会館大ホールを皮切りに、全国12都市・20公演開催される。
※2:舞台監督
コンサート・イベント・演劇などで、演出家の意向を汲み、その意図を舞台に実現するためにスタッフをまとめて進行管理をする責任者。
※3:USJで「GLAY EXPO」
2004年7月31日に、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)内の特設ステージで行われたライブ。 GLAY EXPOは1999年、2001年、2014年にも開催された大規模なライブとなっており、この2004年はメジャーデビュー10周年を迎えたGLAYとのオープン3周年のUSJがコラボレートして開催された。
※4:「愁いのPrisoner」と「YOUR SONG」
2018年11月14日に56thシングル「愁いのPrisoner/YOUR SONG」としてリリースされた楽曲。「愁いのPrisoner」はセブン-イレブンのタイアップ曲、「YOUR SONG」はスペシャルオリンピックス日本公式応援ソングに起用された。
※5:コールドプレイ
1997年ロンドンで結成された、4人組ロックバンド。2015年12月にリリースされたアルバム『A HEAD FULL OF DREAMS』のライブツアー「A HEAD FULL OF DREAMS TOUR」は、世界中で550万人以上のファンを動員する大規模なライブとなった。
※6:「ザイロバンド」
通信で遠隔操作を行うことにより、光る色を操作でき、曲に合わせた演出を行うことができるリストバンド型のペンライト。2012年にコールドプレイが初めてコンサートに導入し、日本でも多くのアーティストがライブに導入している。
※7:2014年の「GLAY EXPO」
2014年9月20日(土)に「東北の皆さんを笑顔にしたい!」というメンバーの想いから、ひとめぼれスタジアム宮城にて開催された。2004年以来10年ぶり、4回目のGLAY EXPOとなったこのライブは、東北史上最多となる55000人を動員した。
※8:「HEAVY GAUGE」
1999年10月20日に発売された5thアルバム。20年の時を経て、2019年5月8日には「HEAVY GAUGE Anthology」が発売される。
※9:「Winter, again」
1999年2月3日に発売された16thシングル。オリコン・チャ-ト初登場1位獲得し、JR東日本「SKI SKI」キャンペーンソングにも起用されたGLAYの代表曲。
※10:ACE OF SPADES
TAKAHIRO(Vocal),HISASHI(Guitar),TOKIE(Bass),MOTOKATSU MIYAGAMI(Drum)からなる4人組バンド。2012年に結成し6年の歳月を経た今年、待望の1stアルバム「4REAL」が発売され、2月26日からは初の全国ツアーACE OF SPADES 1st. TOUR 2019 “4REAL”が全国5都市7公演で開催された。

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