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INTERVIEW

Vol.82 『REVIEW II』 TERU DISC Review

第41回日本レコード大賞ならびに第32回日本有線大賞受賞曲である『Winter,again』を始め、シングルとして初めてチャートトップ10入りを果たした『グロリアス』、最新アルバム『NO DEMOCRACY』収録曲の中で “GLAYの新たなる名曲”との呼び声も高いTERU作詞作曲の『COLORS』など全14曲を収録。90年代、00年代、10年代それぞれから、比較的バランスよくチョイスされている印象のディスクだ。函館の“G4 Space”を訪れるファンの中には、GLAY公式アプリ“GLAY”でTERUが作成したプレイリストを参考にオリジナルプレイリストを組み立て、それを聴きながら函館の街を散策している人たちも多いそうで、そのことを聞きつけたTERUが「函館で聴いたらもっと函館を感じることができる曲」を選んだという。歌詞を含めてTERUの思い入れが深い曲ばかりと言うことで、本人もこれらのナンバーを聴くと函館を感じるそうである。メロディアスなバラードが多いように見受けられるのはボーカリストならではの選曲と言えるだろうか。また、雪や冬をモチーフにした曲がありながらも、通して聴くと日なたの匂いがするようなところにTERUらしさがあるのかもしれない。

2019.12.09

COLORS
父と子の関係を子の視点から綴ったミディアムバラード。TERUの父親に対する衒いのない想いがメロディからも溢れ出ている、まごうことなき名曲である。2019年7月2日発売のシングル『G4・V-Democracy 2019-』と、15thアルバム『NO DEMOCRACY』(2019年)に収録。

Winter,again
1999年2月3日発売の16thシングル。5thアルバム『HEAVY GAUGE』(1999年)にも収録。GLAYのシングルで最大の売上を記録しており、最も知名度の高いGLAYナンバーかもしれない。TAKUROがイントロのイメージを“雪虫がチラチラしている感じ”とメンバーに伝えたのは有名な話。

ホワイトロード
2005年1月にリリースされた『-Ballad Best Singles- WHITE ROAD』の先行シングルとして、2004年12月8日に発売された32ndシングル。《振り返れば故郷は場所ではなくて あなたでした》という歌詞が示す通り、故郷である函館を思って作られたナンバー。凛としたサビメロがとにかく素晴らしい。

グロリアス
1996年1月17日発売の8thシングル。2ndアルバム『BEAT out!』(1996年)収録。GLAYのブレイクのきっかけとなったと言っても過言ではないナンバーのひとつ。ギターリフやBメロのドラムにグラムロックの匂いが感じられて、発表当時のGLAYのロックバンドとしての意地を感じることができる。

時計
淡々と進むコードに乗ったメロディが、徐々にエモーショナルに展開していく様子が、歌詞の内容とも見事にリンクした逸品。2013年7月24日発売の通算48枚目のシングル『DARK RIVER/Eternally/時計』の他、55thシングル『WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~』(2017年)にも収録。
ずっと2人で…
メジャー1stアルバム『SPEED POP』(1995年)収録曲で、1995年5月17日に5thシングルとしてリカットされた。結婚するTERUの姉のためにTAKUROが書き下ろした曲であることはファンならばよくご存知だろう。今でも結婚式でよく使われているウェディングソングの定番ミッドバラード。

Life~遠い空の下で~
1994年6月15日発売の2ndシングル『真夏の扉』C/Wで、メジャー1stアルバム『SPEED POP』(1995年)にも収録。最初期のナンバーではあるが、全編を支配しているアルペジオギターのループ、乾いた感じのアコギ、Bメロや間奏で独特の動きを見せるベースなどサウンド面での聴きどころも多い。
HELLO MY LIFE
1999年2月3日発売の16thシングル「Winter,again」のC/W。全体には春を感じさせる明るく軽やかなナンバーではあるものの、《春の訪れを知らせる様な風とイナ光り》や《季節はずれの粉雪が舞う》という歌詞と連動するように、サビ終わりや間奏でやや暗めのサウンドを注入しているのが心憎い。
はじまりのうた
TAKUROをして「俺にはこういう曲は絶対に作れない」と言わしめた100%陽性の応援ソング。ハツラツとしたTERUのボーカルに元気をもらえる。2018年11月14日発売の2019年7月2日発売のシングル『G4・V-Democracy 2019-』と、15thアルバム『NO DEMOCRACY』(2019年)に収録。

Eternally
2013年7月24日発売の通算48枚目のシングル『DARK RIVER/Eternally/時計』に収録。A、B、サビのメロディそれぞれにひと工夫が加えられている印象。加えて、歌詞には徹底して力強く前向きなフレーズが並んでいて、GLAYのバンドとしての貫禄を感じられるラブバラード。傑作!

生きがい
5thアルバム『HEAVY GAUGE』(1999年)収録曲。頭打ちの軽快なリズムで始まるナンバーだが、ロックバンドらしいワイルドさ、ヘヴィさも内包。親しみやすいメロディだけに、《僕は独りだ 祈るべき神も祈る言葉もとうに無いさ》《疲れはてた僕は今死にゆく日を思い》などの歌詞が突き刺さる。
あの夏から一番遠い場所
8thアルバム『THE FRUSTRATED』(2004年)収録曲。派手なナンバーが多い同アルバムの中にあってやや隠れた印象はあったが、改めて聴くと、柔らかいメロディが躍動感を帯びて昇華していく様子が素晴らしく、まさに“隠れた名曲”と呼ぶに相応しい。独特の郷愁感を惹起させる歌詞もいい。
カナリヤ
3rdアルバム『BELOVED』(1996年)収録曲。JIROの作るやわらかいメロディが早くからファンの間で名曲認定されていた楽曲。歌詞にある《レンガを敷いた坂道にある海沿いの店》は残念なことにすでに閉店したそうで、まさしく《めぐる季節はいつか お互いをセピア色に染め》たことになる。
すべて、愛だった(Acoustic Version)
2004年8月4日に発売された31stシングル『Blue Jean』のC/W。『rare collectives vol.3』(2011年)に収録されたバンドバージョンではなく、こちらを選んだということは、ストリングス・アレンジと、歌メロ&ハーモニーをじっくり味わってほしいという気持ちの表れだろう。
文:帆苅智之

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