GLAY

MENU

INTERVIEW

Vol.98 イベンターさんインタビュー企画第四弾-高橋さんスパイクさん

アリーナツアー連動企画として、各地のイベンター諸氏への取材を重ねてきた本連載。第四弾は、2月5日(土)・6日(日)に開催を控えるさいたまスーパーアリーナ2DAYSに向け、キーパーソン2人が登場。一人は、日本音楽界における海外アーティスト招聘の開拓者でありレジェンド、GLAYの関東地区でのライヴを管轄するウドー音楽事務所のTackこと高橋辰雄さん。もう一人は、元ウドー音楽事務所で現在は独立、ライヴ制作会社である株式会社マールソニードを立ち上げ、10年以上にわたりGLAYのツアーに関わってきたスパイク南さん。ライヴはもちろんGLAYの人間的な魅力、コロナ禍における洋邦エンターテインメント界の格闘など、様々なエピソードを伺った。

2022.1.28

※TAKUROのコロナ感染により、1月22日(土)・23日(日)に開催予定だった静岡・エコパアリーナ公演の中止を発表したのは1月20日(木)。本インタビュー取材はその約1週間前にオンラインで行ったものである。



まずはGLAYとの出会いについて、第一印象を含めてお聞かせ願えますか?
高橋

もう13年ぐらい前になるのかな? あるイベンターの方からGLAYのマネージャーさんを紹介していただいて、関東圏のイベンター業務に興味があるかどうか、相談を受けたんです。興味があったので、当時開催されていたツアーの名古屋公演を観に行ったのが最初ですね。その時に初めてライヴを観て、メンバーの方ともお話をして、そこがスタートですね。

スパイク

2008年、“VERB TOUR”の最後だったかなと思います。元々高橋さんがとある人から相談を受けて、GLAYさんのイベンター業務を始めるという時に、僕もちょうど同じようなタイミングで一緒に現場にいさせていただいて。その年の4月に僕は会社(ウドー音楽事務所)を辞めるともう決めていたので、それがきっかけとなって、その後のGLAYさんの海外ツアー(“GLAY VERB TOUR 2008 in U.S.”)にお誘いいただいたのが最初ですね。出会った当初は、「会社を辞める」と自分の中では決めていたものの、まだ大っぴらにはなっていなかったんですけども。もちろん親しい人間には相談をしていたような状況で。

高橋

僕も当時は知らなかったので(笑)。

そうだったんですね。高橋さんが切り拓いてこられた海外アーティストの招聘という礎が御社にはある中、GLAYという日本のロックバンドを手掛けるにあたり、迷いはありましたか? 一番の決め手は何だったのでしょうか?

高橋

弊社は僕が入った1975年からずっと、ほぼ100%洋楽志向でした。サポートアクトとしては邦楽のアーティストに出ていただくことはあったものの、単独で邦楽のアーティストをビジネスとして手掛ける、という方向性は持っていなかったんです。でも、洋楽の今のトップのアーティストたちもいずれ歳を取ってくるわけですよ。そうするとやはり、‘70年代のパワーと比べれば、勢いのある人が少なくなってきていたんですよね。アーティストの数が減り、招聘も減ってくるんじゃないか?という危機感はすごくありました。1985年あたりからはJ-POPが邦楽のマーケットを広げ、邦楽のアーティストが日本武道館でライヴをしたり、アリーナクラスで集客できるアーティストが増えてきたりもしていて。新たなビジネスモデルの一つになるのではないか?と考えている中でGLAYというグループと出会ったんです。やはり一番大変なのはアーティスト本人との関係性であり、それ次第だという想いが経験上あって。ご本人やマネージメントの方々とお会いして話した時に、「この人たちとだったら、筋の通った仕事ができる」という実感はありましたね。考え方やビジネスに対する捉え方がプロフェッショナルで、ファンに対しての向き合い方も含め、誠実さがあった。そういうところは決め手になりました。

スパイクさんはいかがですか? 独立されて以降共にお仕事されてきているGLAYというバンドを、どうご覧になっていますか?
スパイク

僕の場合も、洋楽のプロモーターでありながらも2002年ぐらいから、とある邦楽のアーティストさんとご縁があってずっと仕事をさせてもらっていたんですね。今の時代はもう線引きすべきかどうか分からないですけれども、その当時、洋楽と邦楽では考え方は全然違うと気付いて。洋楽(のアーティストのライヴ制作をする場合)は基本的に、海外で完成されたものを日本に持ち込んできて、滞りなく本番公演を行う、という感じなんです。それに対して邦楽の場合はゼロから一緒につくっていける部分もあるからこそ、自分がそれまで味わったことがない、経験のないような場面にもよく遭遇しました。そこから邦楽というものにすごく興味を持ち始めたんですね。

実際にGLAYのライヴ制作をされてきて、いちばん印象深いライヴ、ツアーと言いますと?
スパイク

やっぱり僕は海外の公演が印象に残っていますね。国内公演のようには制作に必要なモノを豊富に揃えられない中でやっていかなきゃいけない、というところで。完全に揃っている状態でやってきていたであろう方々ですので、大変だったと思いますが、いろいろと話し合って「ないものはしょうがないよね」と納得していただきました。

そういう時は、メンバーの皆さんは柔軟に対応されるのですか?
スパイク

僕は当時直接話してはいないんですけども、たぶん、してくださっていたと思います。実際に物がない中でもライヴができていたので(笑)。

高橋さんは、「プロフェッショナルな人たちだ」という第一印象以降、実際にお仕事をご一緒されてくる中でGLAYへの見方は変わりましたか?
高橋

第一印象通りに、4人それぞれの型を持つ人たちがそれぞれの考えで音楽に、ライヴというものに向き合っている、と感じます。それぞれの意見をお互い尊重し合いながら、“エゴを通さない”という印象があったんですね。非常に皆さん謙虚に考えているので、人間的にやりやすいんです。今スパイクが言いましたように、海外公演、ロサンゼルスとサンフランシスコに行った時は、弊社としては初めて日本のアーティストを海外に出したんです。それまではすべて海外からの輸入、インバウンドという形でしたから。ビザの問題、税金の問題、実際に現地に着いてからの制作に必要なモノが揃う・揃わないも含め、様々な部分での環境設定が初めてという中、メンバー、マネージメントの方々にはそれを理解していただいて。SHOW MUST GO ON、「やるっきゃない!」ということで進んでいった気がします。そういう中で、さっき言った“エゴを通す”よりは「今何をするべきか?」という部分を分かっている方たちなので、非常にビジネスが進みやすいのか、とは思います。

海外ツアーを振り返って、現地の音楽ファンたちのリアクションを、高橋さんはどう受け止められましたか?
高橋

最初にTAKUROさんが言っていたのは、外国の方、アメリカ人に見せるというよりは、ロサンゼルスやサンフランシスコにGLAYのファンの方たちがたくさんいらっしゃるので、そういう方たちに観てもらいたい、と。実際にお客さまの7割ぐらいは在米(日本人)の方でした。3割ぐらいの現地の方は、初めて日本人アーティストを観るという人も結構いたようですけれども、言葉は分からないながらGLAYのライヴ感、ステージ感を楽しんでいるようでした。ステージからは皆楽しんでいるように見えて、違和感はあまりなかったですね。

スパイク

日系人じゃない方、いわゆる現地のアメリカ人の方々が思ったより熱狂していたな、と僕は感じましたね。歌詞も分からない中で、日本語で一緒にコーラスをしていたのにはビックリしました。その他、日本の音楽を聴くために日本語を勉強している子たちも結構いて。

高橋

うん、そうみたいね。言葉は分からないけれども、やはり音楽という文化で繋がっている感じはしましたし、メロディーラインとか、オンステージで発信するアーティストのパワーですとか。そういうものが言葉の壁を越えている、とは思いました。

音楽、文化は人と人を繋ぐ架け橋になるという証ですね。コロナ禍におけるGLAYの軌跡を辿りますと、2020年4月、予定していた東京ドーム2DAYSを含むドーム3公演の中止を発表。25周年というアニバーサリーイヤーを苦難に見舞われながら、屈せず前に進んできたバンドの1つです。お二人はあのコロナ禍突入期のGLAYの決断、状況をどう振り返っておられますか?
高橋

GLAYだけではなく世界中のバンド、アーティストの方たちが発表の場を失い、いろいろな苦労をしていて、それぞれに「どうやってファンに向けて発信していくのか?」を考えていた期間だと思うんですよね。そういう中で、配信という一つのビジネスモデルが確立されたりとか、YouTubeなどのプラットフォームを使い家でアコースティックで歌ったり演奏したりした曲を流したりですとか、コロナ禍であったから生まれたビジネス、新しい表現方法も出てきていますので。だから、コロナ禍のこういう状況は決してマイナスだけではなくて、新しい思考を生んでもいて。アーティストだけではなくてマネージメントも、「こういう環境の中で何ができるか?」を考える契機になったのかな?と。もちろん、我々洋楽プロモーターにとっては非常に大変な状況ですけれども。

そもそもアーティストが来日できないですものね……。
高橋

そうですね。じゃあ国内での音楽活動をどうしていこうか?というところで、GLAYの人たちは、世界中のアーティスト同様、「どうしたらファンに届けられるか?」を非常によく考えていると思います。とても大切な25周年記念の(ドームでの)ライヴがなくなったということを、「じゃあどうやってそれを乗り越えていこうか?」と……振り返ってみると、乗り越えたというよりは、なるべくしてなった、というところだとは思うんですよね。私は第三者ですので何とも言えないんですけども、本人たちにとっては「これで良かったんだ」と、たぶん信じていると思います。特にGLAYの場合はいろいろな媒体を使って発信をしているグループなので、お客様にとっては非常に身近に感じられる存在だと思いますよね。

スパイクさんはいかがですか? 2020年のドーム公演の中止は衝撃的だったかと思うのですが、今どのように振り返られますか?
スパイク

あれは2月26日だったかな? イベント開催に対する自粛要請が政府から出て(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00002.html)、当時コンサートを開催しようとしていたバンド、アーティストたちが軒並みそこで中止・延期を発表し。僕はその時期、別のアーティストのツアーを廻っていたんですけれども、その時にどんどん中止が発表され……。そして、最初は「2、3カ月で終わるだろう」と思っていたのが夏まで延び、そのまま1年、2年経って今、現状こんな状況ですよね。なので、自分の身を守るのに精一杯だったというのはあったんですね。2020年はもう、ほぼほぼ1年間仕事がないような状況だったので。GLAYさんが5月のドーム中止に始まり、最終的に12月の(札幌ドーム)も含めてどんどん中止になっていく連絡をもらった時は、「ま、しょうがないな」とも思いつつも、ショックではありましたね、やっぱり。

札幌ドーム公演はさいたまスーパーアリーナに場所を移して、2020年12月に開催されましたね。そして来る2022年2月のさいたまスーパーアリーナ公演に向けて、オミクロン株が猛威を振るっているのが現状です(※2022年1月中旬現在)。
高橋

とにかくもう、この状況が早く終わってほしいです(笑)。

おっしゃる通り、もう勘弁してほしいですよね……(笑)。コロナ禍でライヴ活動を控えるアーティストもいる一方で、GLAYはアリーナツアーを敢行しました。高橋さんは、GLAYのライヴ活動に対する現在のスタンスをどう評価なさっていますか?
高橋

評価できる立場ではないんですけれども(笑)、僕のような洋楽しか知らない人間にとって、GLAYというグループのライヴの捉え方に対しては「すごくコンスタントにやっているな」という気がしています。ライヴハウスツアー、ホールツアー、アリーナツアー、そしてドームツアーというキャパシティーの違う4つの場所を選びつつ、毎年何がしかライヴに対してのアクションを定期的に起こしている。それは海外のアーティストでは考えられないことです。それはお客さんであるファンの方も分かっているから、「じゃあ今度はホールツアーに行こう」「次はアリーナツアーに行こう」と、先の目標を立てやすいとも思うんです。休みなくライヴをするためにはいろいろな準備ももちろん必要だと思うので、GLAYの人たちというのは非常に忙しくて……大変ですよね(笑)。

決してそれは当たり前のことではないですよね。
高橋

だから、休む時には休む、ブレイクをするのは海外の場合だとよくあることなんです。例えば1年ツアーをしたら翌年の1年間は家族と過ごすためのオフだとか、次の年はじゃあレコーディングをしようとか、スパンが非常に長いんですね。ファンの人にすれば、「次はいつ観られるのかな?」となる。インターナショナルなアーティストは割合長いツアーをするじゃないですか? メタリカなんかは3年間やっていましたからね。関係者が日本に来た時に「いやぁ、メタリカのツアーが始まってから俺、今日で誕生日3回目だよ」って(笑)。そういう洋楽アーティストの場合とは違って、これはGLAYだけではなく邦楽のアーティストに言えることかもしれないけれども、次にやることが見えているというか、だからこそ発信しやすい。お客さんにとってはうれしいことですよね。ファンにとっては非常に親近感を感じるのではないでしょうかね?

GLAYの皆さんは先々の楽しみを絶え間なく与えてくれる稀有な存在だと感じます。今行われているのはアリーナツアーですが、様々な種類の公演・ツアーがある中で、アリーナツアーならではの制作上の特徴ってどういうものなんですか?
スパイク

やっぱり“所帯”がどうしても大きくなるんですよね。コンサートの規模が大きくなる分ステージ規模が大きくなり、それに携わるスタッフも多くなり。気が付いたら100人以上で旅を廻っていて。そういう部分で、大所帯をまとめるのがやっぱりちょっと大変だな、という想いはあります。ホールツアーだったら20人ぐらいで廻れるようなものが、アリーナだとその規模になるので。

大人数を束ねるだけでも大変ですよね。
スパイク

そうですね。僕の場合はライヴの内容をつくりあげるというよりも、スタッフを束ねるという仕事の比重がどちらかというと高いので、それが大変ですね。

コロナ禍における、通常とは違った状況でのツアーだという点で、スパイクさんが特に心掛けておられるのはどんなことですか?
スパイク

僕が心掛けているというよりかは、事務所含めてのことなんですけれども、感染症対策をものすごくきっちりとしています。来場されるお客様への対策はもちろん、スタッフも含めてとにかく毎日健康報告をして。必ずPCR検査をして、それで陰性じゃないとツアーに参加できない、本番には来られないという厳しさで対策しています。それをこの人数の規模で徹底するのはものすごく大変なことだなと思うんですけれども、それでもきっちりと行って、感染者が出ないように注意しながら取り組んでいますので。あと、やっぱりお客さんもすごいですよね。「無歓声でお願いします」と伝えたらちゃんと守ってくださる。それって本当にすごいな、と思っています。

ルールを守ってライヴを観ているファンの方の姿には、大きな感動を覚えます。
スパイク

スパイク:そうですよね。何千人、何万人といる中で一人ぐらい歓声を上げる人がいてもおかしくないんじゃないかな?と思うんですけど、本当に誰一人歓声を上げずに拍手だけで応援していて。そういう皆さんあってこそですよね、本当に。

法的な規制ではないルール、マナーをどこまで守ってもらえるか。協力的なお客様でなければ成立しないですよね。権利意識の強い海外では、なかなか難しいことかもしれません。
高橋

海外でライヴをした場合の海外のお客さんは、ルールを守る人は2割、3割じゃないかと思う。守るのは日本人の気質かもしれないし、特に感じたのはやはりGLAYのお客さん、GLAYのファンの人たちは非常にマナーがいい、ということですね。コロナ禍の時のお願いに対してだけ守ったというのではなく、暑い真夏のスタンディングで大変だった幕張メッセの公演でも、アーティストや事務所側の意向をお客さんに伝えると守ってくれて。「こんなにもマナーがいいのか」と、もうビックリです。

長年のお付き合いがあるお二人が、GLAYのメンバーに対して感じる魅力も是非教えてください。
スパイク

皆さん優しいです。ものすごく優しいです、本当に。安心していられるあの感じ、何なんでしょうね? 洋楽に携わっていたからかもしれないですけども、アーティストに接する時って、腫れ物に触るような感じがあったんですね。もちろんGLAYさんに対して当たり前に普通に気は遣うんですけども、それ以上にものすごく気を遣わなきゃいけない感じは全くないんです。そこがうれしいし、やりやすいですね。

印象に残っている言葉や、想い出深いエピソードがあればお聞かせください。
スパイク

これはだいぶ昔の話なんですけど、言っていいのかどうか(笑)。Zepp Tokyoでライヴをして、本番が終わってTERUさんが帰られる時、楽屋口を出て車に乗ろうとした時にちょうど足元に車止めのブロックがあって、躓いて転ばれたんですね。手をついて掌を擦りむいたんですけれども、僕はもうその時に青ざめたんですよ。絶対に怒られる、と。周りの人間がライトで照らすなり、暗がりに危険物があるのを知らさなきゃいけないのに、それをしてなくて転ばれて手を怪我されたので。でもTERUさんは笑っていましたね。

優しいですね!
スパイク

「痛~い(笑)!」とか言いながら笑って車に乗られたんですよ。その時は本当に冷や汗を掻いたんですけども、その後ものすごくホッとした印象があります。

TERUさんらしいお人柄がよく表れているエピソードですね。
スパイク

そうですね、本当に。

高橋

今スパイクが言ったように、それぞれ基本的に皆優しいんですよね。僕はTAKUROさんと4、5回海外へコンサートを観に弾丸ツアーで行ったことがあるんですけれども。その時に一緒に食事をして飲む機会があって、TAKUROさんの立ち位置はやはり、アーティストというのではなく一個人としてであり、非常にフラット。それは4人ともなんですけどもね。一番印象に残ったのは、これも言っていいかどうか分からないけども(笑)、TAKUROさんがリーダーとして発した言葉です。「俺はこのGLAYというバンドの連中を一生食わせていくだけの自信はある」って。

頼もしいですね。覚悟を感じる言葉です。
高橋

やはりリーダーとしてそれだけの責任感をずっと持って、見据えている人。それぞれのメンバーについて言うと、TERUさんの情熱的なところ、優しいところ、思いやりがあるところはオンステージでも感じるけれども、対外的なところだけじゃなくてもちろんオフステージでもそうだと思うし、内面的にもそうだし。JIROさんも誠実という言葉で言い表せる人だし、真面目であり、優しい。HISASHIさんは非常にユニークなキャラクターで、なおかつ今風なセンスも持っていて。TAKUROさんは今までのGLAYのほとんどの楽曲をつくってきたわけですけども、知的な詞とか、曲をつくるセンス、そういうところも感じるし。新聞のインタビューなども拝見すると、人間的にも非常に芯が通っていて知的な言葉を発しているし。基本的に4人とも非常に誠実で強い責任感を持っていて、一つ一つ自分の役割をこなしているのも感じられるし。最初にも言いましたように“エゴを通す”という感じではなく、主張はするかもしれないけれども、各々の主張を真に受けてちゃんと捉えている人たちじゃないかな?と。出す時と出さない時をわきまえている、頭のいい方たちなんだなという印象です。そこに、TOSHI(NAGAI)さんという人も支えになっていて、もちろんあの方も非常にいい人で優しい人で。5人が非常に上手くまとまっているチームだと思いますね。それぞれのキャラクターがあって、オンステージの発信力も素晴らしいし、それらすべてがGLAYの魅力になっていて。それをお客さんがすごく理解しているバンドなんじゃないかな?と。音楽だけじゃなくて人間性も、それからオンステージのライヴの素晴らしさ、そういう3つの大きなものが一つになって表現しているグループであり、それが長く続いている理由なのかな?と思います。

2022年を迎え、2月5日(土)・6(日)にはさいたまスーパーアリーナで、いよいよツアーファイナルに漕ぎ着けることとなります。今どんなお気持ちでしょうか?
高橋

このコロナ禍なので一番の懸案はやはり、いつものことですけれども何事もなく安全に、終わってからも健康被害が出ないことを祈っている、ということですね。運営に関してはスムーズに。コロナ禍の対応として検査ですとか、入場がスムーズにできるようにするなど、運営面の心配が一番ですね。

スパイク

いくら気を付けても市中感染で知らないうちに罹ってしまう、ということがやっぱりあるので、気を付けていてもなかなか防ぎ切れなかったりもします。もうこれ以上感染者が増えないでほしいな、と本当に思いますね。

最後に、ライヴにいらっしゃる方に向けてのメッセージと、GLAYの今後に期待することをお聞かせください。
スパイク

コンサートの本番はやっぱり楽しいので、また今こうして感染者がずっと増え続けていて、どうなるのか?といろいろと不安な部分もありますけれども。皆一人一人が気を付けて本番を楽しんでもらえればな、と思います。本当に楽しいショウですので。GLAYさんに対してはやっぱり末永くずっとこのまま活動し続けていっていただきたいですね。僕もずっとお付き合いしていきたいので、是非ともそれはお願いしたいです。

高橋

お客さんに観てほしいのは、やはりライヴの内容が年々変化して進歩しているところですね。弊社で担当するさいたまスーパーアリーナのコンサートに関しては、やはり大きな会場なので、臨場感もあるし、非常に見応えがあると思います。GLAYというのは、過去にばかり行かずいつも前へ前へと向いているグループだと思うので、毎回の新しいこと、前とは違ったことを見せてくれる。今後は、これだけ歳を重ねたグループだからこその円熟味も増していくでしょうし、楽しみにしていただきたいですね。GLAYに対しては、僕が期待するというよりは、期待を上回る大きなものをきっと与えてくれると思うんですよね。あえて言うなら、僕はギターが好きなのでHISASHIさんとTAKUROさんが奏でるのを楽しみにしていたいですし、ツインギターの面白さには期待したいな、と思います。

文・大前多恵

BACK