GLAY

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BIOGRAPHY

1998

  • 『GLAY fficial Fan Club HAPPY SWING IN HAWAII'98GLAY TOUR ~GLORIOUS NIGHT in HAWAII~』SEA LIFE PARKにてファンクラブ限定ライブ

    1998.03.31

    初の海外公演を、 ハワイ・シーライフ・パークの特設ステージで開催。
    ファンクラブ会員を中心に3000人が集う

    INFORMATION


    REVIEW

    ベストアルバム「REVIEW」が500万枚のセールスを記録した4人組の人気バンドGLAYのハワイ公演がハワイ・シーライフ・パークの特設ステージで行われた。4人ともハワイは初めてなら、野外でのライブも初。新曲「誘惑」「ソウルラブ」(いずれも4月29日発売)を初披露と初ものづくし。ステージ上でポスター撮影をするなど普段とは違ったライブに約3000人が熱狂した。
    とっぷりと日の暮れたシーライフ。パークの特設ステージに主役4人がハワイアン音楽に乗って登場すると、アリーナを埋めたファンからは悲鳴にも近い声が上がった。芸能人のハワイ公演は過去にも例があるが、トップバンドでは初めてだ。東京や大阪など全国6か所からファン約3000人がハワイに集結した。オープニングからファンはその場で跳びはね、エンジン全開。エネルギーはステージにも飛び火。ロック色を前面に出すのが特徴のGLAYのライブがスタートしたが、いつもと様子が違う。「元気か?」「ハワイはどうだ?」迫力のあるTERUの声が語りかける ように優しくなっている。今回のライブはメンバーとファンにとって特別なステージ。海外での初公演。しかも初の野外ステージは今までバンドを支えてくれたファンへのお礼をこめたものだ。TERUは「きょうはソフトなグレイを見て欲しい」というように、サービス満点の内容だ。4人にとっても初めてのハワイ、メンバー紹介ではハワイでの近況を報告。曲目もファンの前で初めて新曲を披露した。また、このライブのために未発表曲「アイム・イン・ラブ」も用意するほど。 会場には仕事先のロスから駆けつけた"師匠"のYOSHIKIの姿もあった。アンコールでは通常では絶対に見られないアロハシャツで登場するサービスまであった。パフォーマンス同様にロック色を出した迫力あるステージ、17曲のベストライブで熱狂するファンを魅了した。
    報知新聞

    絶え間なく注ぐ愛の名を…。潮風にのせてボーカル、TERUの歌声が野外会場に響き渡った。ファンの黄色い悲鳴がこだまする。全17曲。約2時間を超える熱狂ステージ。一瞬、ここは日本かと錯覚するような光景だが、ハワイだからこそ実現した"夢舞台"だった。「アロハー。おーい、ハワイはどうだ。楽しーいか」とTERU。南国の熱気が開放的な雰囲気にさせたのか、メンバーもノリノリだ。29日に同時発売の新曲「誘惑」「SOUL LOVE」と未発表曲「I'm in Love」を日本国内に先駆け初披露。ボスター用にと客席を背にファンと記念撮影も行った。GLAYといえば、黒系のスーツでビシッと決めるのが定番。が、アンコールではTシャツ姿のべース・JIRO以外、全員がアロハシャツで登場する大サービス。日本から3000人のファンを帯同しての海外公演自体、極めて異例 のに、心憎いばかりの演出が次々と飛び出した。結成から10年。メジャーデビューから4年。昨年10月に発売したベスト盤「REVIEW」は、わずか半年でglobeの記録を塗り替え、金字塔となる500万枚を突破した。 ギターでリーダーのTAKUROは「枚数の重みも凄いけど、このハワイでGLAYのバッチをつけたファンを目にしただけで心がジーンときたんです。ここまでたどり着くことができたのも、ファンの力なしではあり得なかった」と感謝の気持ちから この企画が生まれたと明かす。「今度はオリジナルアルバムで評価されるものを作りたい」とTAKURO。歌声とともにそんなGLAYの思いをのせ、記念すべきハワイの熱い一夜が幕を閉じた。
    サンケイスポーツ

    MEMBER'S COMMENT

    --ハワイの感想から聞きたいんですが。今年、最初のライブになったわけでしょう。
    JIRO「そうですよね 。久しぶりのライブだったんで、何か子供のような「やったー!」っていう感じでしたけどね。しかも初の野外のワンマンだったんで、ファンクラブ(イベント)ということもあって、すごいのびのびとプレイできたなあって。」
    --会場のシーライフパークはかなり広いところですよね。
    JIRO「あ、どうなんだろう。セット組んでない更地の状態は見てなかったんで。セット組んでるところに連れていかれた感じだったから。」
    --気持ちよさが違ったでしょ。
    JIRO「やっぱりね。アンコール入れて2時間半くらいやったんですけど、その間に3回くらい雨が降ったときもあったし、最後の「BURST」なんかでは、演出でもここまでできないぞっていうくらいの大雨が降ったりとか。」
    TERU「海をバックにライブをやれることなんてめったにないですからね。リハーサルなんかでも音が一瞬消えたときにさざ波の音が聞こえたりするんですよ。そういうの聞いてるとすごくのびのびしてやる気になりましたよね。」
    HISASHI「俺、18年前に行ったことあるんですよ。8歳のとき、親に連れられて。シーライフパークも行ったんです。あそこ水族館みたいになってて、大きい亀がいたりイルカのショーをやってたのとか覚えてて、それ考えながらライブやってたら不思議な気分になっちやって。」
    --やっぱり南の島とか南の国に対しての憧れめいたものはあった。
    JIRO「そうですね。ハワイって1年中泳げるわけですよね。函館あたりだとせいぜい1年間に20日間とかだし。沖縄も行ってみたいですからね。なんて言うか、南の人が雪を見たいとか言うでしょ。同じような憧れはあるんでしょうね。」
    --アンケートを拝見したら、ふだんのツアーよりかなり年齢の幅が広かったようですけど。
    JIRO「もう全然そうですね。やっぱり中高生が少なかったですからね。」
    TAKURO「まあ、お金の面でも経済力のある人たちのほうが参加しやすかっただろうし、決断も早かったんでしょうね。普段仕事をしてる人はいつものツアーではなかなか来られないんだろうけど、今回は休みがてら行けるとか。初めて観たっていう人も多かったんじゃないかな。」
    JIRO「そういう意味ではお金のかかる ライブだったんで100%よかったとはいえないと思うんですけど、でも、これまでと違うGLAYの音楽の伝え方をしたという点ではずいぶんいい経験をしたなって思いますね。上が74歳って聞いたときにはビックリしましたけど。(笑)」
    --74歳!
    JIRO「おじいちゃん(笑)「あ、おじいちゃんがいる!」とかって言ったらキョロキョロして後ろを見てました。自分のことと思ってなかったみたいで。(笑)」
    --新曲はどの辺でやったんですか。
    JIRO「新曲は「SOUL LOVE」が中盤で、「誘惑」がアンコール。その他にももう1曲、未発表のもの。まだ音源化されてない曲を1曲。全体にみんなが歌える曲という感じかな。」
  • D.I.E.さんのアルバム「FRAGILE」に参加

    1998.04.01

    01.ANGEL'S BACK
    JIROベース参加

    05.SUPER HYPER CRAZY WOMAN
    HISASHIギター参加

    07.JEWEL (featuring TERU)
    TERUボーカル・TAKUROギター参加
  • 少年マガジンにて、「GLAY物語」2号連続連載

    1998.04.08

    少年マガジン(講談社)にて、2号にわたり「ミュージシャン実録ストーリー『GLAY』の連載がスタート。
    作画は、岡崎 瑞生さん。


    INFORMATION


    REVIEW

    サクセスストーリー一挙公開
    男性四人の人気ロックバンド、GLAYが漫画になることが20日分かった。函館でのバンド結成から上京までのストーリーを、「週田少年マガジン」(講談社)が4月8日発売の第19号、15日発売の20号の2週にわたって掲載する。同バンドが漫画になるのは初めて。同誌編集部によると、読者に影響のある人気者の素顔を紹介しようと、GLAYに着目。実物通りかっこよく描ける作者として、新進の女性漫画象・岡崎瑞生(みずき)さんを抜てき。GLAY側の快諾を得た上で、漫画化が決定した。「ストーリーは、函館でのTERU、TAKURO、HISASHI、JIROのメンバー四人の高校時代の実話。前後編合わせ117ページの読み切りとなる予定。同誌は「金田一少年の事件簿」「中華一番」などテレビ番組にもなっている連載を抱え、発行部数も四百万部を超え、少年コミック誌では売り上げナンバーワン。最近ではサッカー日本代表のゴールキーパー、川口能活を漫画化し、読者から大きな反響があったという。編集部では「GLAYは、昨年の音楽関係の賞を総なめにしたトップ・バンドであるとともに、すごくファッショナブルなバンド。ミュージシャンの実話を漫画にするのは「マガジン」ではここ数年なかった試み。読者からもかなりの反響があるはず」と、早くも自信をみせている。
    デイリースポーツ
  • 中山 美穂さんのシングル「LOVE CLOVER」にTERUコーラスで参加

    1998.04.08

  • GLAY Tour '98 pure soul スタート

    1998.04.17

    23ヶ所26公演、即日SOLD OUT

    4月 17日 川口リリアホール
    4月 19日 NHKホール
    4月 20日 群馬県民会館
    4月 22日 神奈川県民ホール
    4月 23日 千葉県文化会館
    4月 29日 名古屋センチュリーホール
    4月 30日 名古屋センチュリーホール
    5月 2日 三重県文化会館
    5月 3日 長良川国際会議場
    5月 5日 アクトシティ浜松
    5月 7日 宇都宮市文化会館
    5月 8日 大宮ソニックシティーホール
    5月 10日 NHKホール
    5月 17日 北海道厚生年金会館
    5月 18日 北海道厚生年金会館
    5月 20日 函館市民会館(8月11日に順延)
    5月 22日 仙台サンプラザホール(9月14日に順延)
    5月 23日 仙台サンプラザホール(9月14日に順延)
    5月 25日 岩手県民会館(8月13日に順延)
    5月 26日 秋田県民会館(9月1日に順延)
    5月 30日 大阪厚生年金会館
    5月 31日 大阪厚生年金会館
    6月 2日 神戸国際会館ハーバーランドプラザ
    6月 4日 福山リーデンローズ
    6月 6日 島根県民会館
    6月 7日 鳥取県立県民文化会館
    6月 9日 倉敷市民会館
    6月 10日 広島郵便貯金ホール
    6月 13日 愛媛県県民文化会館
    6月 14日 香川県県民ホール
    6月 16日 高知県民文化ホール
    6月 17日 アスティとくしま
    6月 19日 広島厚生年金会館
    6月 20日 徳山市文化会館
    6月 24日 青森市文化会館
    6月 26日 山形県県民会館
    6月 27日 郡山市民文化センター
    6月 29日 新潟県民会館
    6月 30日 新潟県民会館
    7月 2日 静岡市民文化会館
    7月 4日 松本文化会館
    7月 5日 長野県県民文化会館
    7月 8日 石川厚生年金会館
    7月 10日 富山オーバードホール
    7月 11日 福井フェニックスプラザ
    7月 14日 福岡サンパレス
    7月 15日 福岡サンパレス
    7月 17日 大分市文化会館
    7月 19日 宮崎市民文化ホール
    7月 20日 鹿児島市民文化ホール(第一)
    7月 22日 熊本市民会館
    7月 24日 佐賀市文化会館
    7月 25日 長崎市公会堂

    INFORMATION


    REVIEW

    みんなで共有するという原点を提示したステージ
    ある意味、今回はGLAYにとって非常に重要なツアーである。現在もロング・セールスを続けているベスト・アルバム『REVIEW』によって起きた社会現象に対する答えと、同時に最新のダブル・シングルで新たな次元に突入したことを示唆したもうひとつの答え。要するに、このふたつの答えがリンクしたものが今回のツアーの始点であり、ライブを重ねるたびに、このふたつがゆっくりと交錯し完全にバトンタッチするということなのである。この日のライブはそうした流れをつねに頭の隅に置きながら観ていたのだが、まず真っ先に印象に残ったのが、演奏のタイトさである。とにかく演奏のレベルが格段に進歩しているのだ。それは間違わないとか、速く弾けるようになったというような次元ではなく、メンバー全員が出す音の質が、明らかに今までとは別ものなのである。これはすぐにはわかりにくいと思うが、たとえるなら、スタイルに基本的な変化はないが1発ごとのバンチの破壊力が倍増したボクサー、あるいは球質がグンッと上がったピッチャーというニュアンスだ。したがって、従来までの彼らと比べると、一見、テンションが抑えられおとなしくなったように感じるが、不必要なギラギラした部分がなくなり、じっにスムーズに曲が伝わってくるようになった。その証拠に聴いててまったく疲れないし、ライブ全体が非常に短く、あっという間に進んでいく。どちらかというとGLAYの場合楽曲のよさだけがクローズ・アップされる傾向があるが、ライブ・パフオーマンスにおける彼らの実力は想像以上に常に進化しており、まさに羊の皮を被った狼状態で、GLAYというバンドの、音楽に対する貧欲で真摯な姿勢と、ポテンシャルの高さを改めて確認した。肝心の内容のほうはというと、彼らのタイトな演奏を中心として、ステージ・セットも重厚かつシンプル、照明も彼らの生み出す世界を、必要な時に必要なだけフォローするというじつにバランスの取れたもので、旧曲も最新の「誘惑」「SOUL LOVE」も、 同じ次元の曲として新しい魅力を放っていた。メンバー個人個人も、以前は自己のキャラクターを持ちながらもどこか"バンドのノリ"に執眉していたところがあったが、完全に解き放たれた部分で全体のグルーヴを形成しようという感じで、じつに弾けてたと思う。そして、前述したように妙な毒が削ぎ落とされたぶん、激しさの代わりに、まるで観客と会話をするような心地よいノリがずっと漂っていて、これがまた非常に気持ちよかった。で、逆にこうしたノリによって.今回のツアーの"pure soul"というテーマも浮き彫りになっていたと思う。やはり、彼らは以前にも増して、より音楽に対してピュアになっているのだ。つまり、そのうえで彼らがめざしているものは、音楽を触媒にして”そこにいる全員で楽しむ”ということを、さらにもう一歩押し進め、確かな形として残そうという、強い意志である。それは、TERUの「みんなが楽しそうにしているのを見ることが、俺たちが一番幸せな時かもしれない」「ステージに立つとすべてを忘れられる」というMCが如実に物語っていた。そして、「言葉ではなく、心で歌ってほしい」という投げかけで、リリースしてない新曲をいきなりやり始めたことこそ、本当の意味で全員楽しもうという意思表示だったと思う。実際これにはオーディエンスも最初はとまどいを見せたが、すぐに反応し大合唱となった。CDで曲を覚えてライブで一緒に歌う―それはひとつの方法論として間違いではないが、予定調和という、自由とは対極にあるものに陥ってしまう危険性がかなり高い。その点、このライブで彼らが提示したことは、"みんなで共有する”という原点だったと思う。GLAYというバンドは、単純に一緒に歌える気持ちよさ、”みんなの歌”になりえる普遍性と存在感を持っているからこそ、あえて強い意志を持ってやれたのではないだろうか。そして、これこそが冒頭で述べた彼らのこれまでとこれからが交錯している分岐点であり、純粋に音楽を楽しむというソウル(気持ち)だと思う.毎回、ツアーが彼らを成長させているが、とくに金回のツアーでは何をつかむのか、その部分でも大きな期待を抱かせてくれるライブだった。
    WHAT'S IN?

    MEMBER'S COMMENT

    ツアー前のコメント
    --ところで、98年は4月から夏にかけて、細かく各地をまわるツアーが決定しましたけど、地方のファンはきっと、もっと自分たちの街にも来てほしいと思ってるよね。
    TAKURO「そうですよねえ。」
    HISASHI「それはもう、そういうファンの気持ちは100倍わかりますよ、俺たちも函館でそう思ってたから。」
    TAKURO「こういうことはバンドの存在が大きくなったとか、そうじゃないとかではなくて、バンド側の意志ですからね。たぶん、今の状況になってなくても、俺たちはやると思うし。」
    --で、そのツアーも、今度はシンプルになりそうじゃない?
    TERU「余裕のあるライブにしたいですね。ツアーだけにもっと神経を注げるような…。ライブとライブの間にテレビとかが入らないような(笑)。そうなると、結局どちらもがんばってしまうの で、精神的な部分と体力的なバランスが微妙に変わってくるんですよ。なるべくどちらも負担をなくして、ライブならライブにより集中できるような環境にしたいです。」
    JIRO「ツアーに関しては、シンプルになると思う。派手でもそうじゃなくてもいいんですけど、今度は結果としてシンプルになるんじゃないかなって思いますね。アリーナ・ツアーをや7て思ったんですけど、やっぱり基本的には変わらないですよ、俺たちの気持ちひとつというか、それだけだなって。」
    WHAT'S IN?
  • 横尾忠則「デザインの逆襲 1965-1998」展開催

    1998.04.23

    新宿タカシマヤにて、横尾忠則「デザインの逆襲1965-1998」展開催。
    GLAYをモチーフとした作品も展示。

    開催期間 4月23日(木)~5月5日(火)
    '65年~'98年の作品の中からポスター300点と、装丁、レコードジャケット、ドローイングなどを展示。
    会場脇には横尾忠則のブランド・ショップもあり、GLAYのポスターも2,000円で販売。
       

    INFORMATION

    横尾忠則氏プロフィール
    36年兵庫県西脇市生まれ、66年から唐十郎主宰の劇団状況劇場や寺山修司主宰の天井桟敷に美術担当として参加。69年に「責め場」で第5回バリ青年ビエンナーレ展版画部門大賞を受首。ポスター、版画、装丁など日本アート界の第一人者として活躍するが、80年からは創作の中心を絵画に移す。代表的な出版物として、「横尾忠則グラフィック大全」(89年・講談社)、「横尾少年横尾忠則昭和少年時代」(94年・角川書店)、「構厘市岨則の全ポスター」(95年・誠又堂新光社)など

    REVIEW

    GLAYの写真をモチーフにした作品と、GLAYのメンバーそれぞれがが提供した素材を元に横尾忠則氏が制作した作品、計5点が作られた。
    GLAYが横尾氏に渡したモチーフは以下の通り。

    そのモチーフを元に横尾氏が制作した作品は以下



    MEMBER'S COMMENT

    TERU
    絵のタイトルは「愛情のSN」。つまり、合う人は合うし、合わない人は合わない、ということ。ただ、合ったからって手を出せばいいって訳でもない。その瞬間ですね。実は眠たいときに描いたらはみ出しまして(笑)。何度も直しました。横尾さんの家って不思議ですよ。置いてあるものが和洋折衷で。いいものは何でも取り入れる姿勢が伝わってきますよ。
    TAKURO
    横尾さんに渡したのは「春を愛する人」の詞。この「生きてく事は愛する事 愛される事」という一行が、怒とうの20代を生きた上で俺がたどり着いたひとつの答えなんです。この先、一個人になってもこの言葉とと もに生きていくだろうと。青臭いかもしれないけど、もっともリアルだった言葉でございます(笑)。横尾さんは宇宙的な人。耳の穴からのぞいてみたらそこに宇宙が広がっているんじゃないかと思わせるような。ある種、狂気みたいなものも感じさせる。なかなかいないですよ、あんな人。
    HISASHI
    ギターです。タルボっていう全部アルミでできた。バンドを始める前から憧れてたギターで、2年前に買ったんです。10年ぶりぐらいの再会で。以来、どんどんギターと話し合って、今はすごくいい。自分の中でも核となるギターです、横尾さんは話のポイントが普通の人と違いますよね、ビートルズをミュージシャンとして見なかったり。面白いですよ。
    JIRO
    俺のはデジカメで撮った写真.全部、部屋にある物です。今の家が、すこく充実度高くて。実は、25歳の俺にとっては今現在の自分の達成感を驚異的だと 思うんです。それをしみじみと感じられる場所を撮ったんですよ。横尾さんは結果を出してきた人だから、説得力が違うよね。ジョン・レノンの家の話とか出てくるし。サラっと言うことが、すごく刺激的だった。
    future

    EPISODE

    横尾忠則さんコメント
     GLAYのポスターを作るのはいい経験でした 今回の展覧会は、デザインに限っては集大成的なものです。僕は80年以降は絵を中心にやってきたんですが、ここ1、2年の問にデザインの仕事の要求とか海外でのデザインの回顧展の依頼とかが増えてきて、そろそろまたやってみようかなということですね。GLAYのポスターを作るのは、僕としてもいい経験でしたね。3月に彼らに会って、みんな礼儀正しくて謙虚で最近の若者のイメージが変わりました。
     ポスターでは彼らの写真を素材にしたんですけど、4人の顔が十字になっているのは四位一体という感じかな。力強さは出たと思うけど、彼らの音楽性まで的確に表現できたかどうか。僕自身の要素もそこには必要になってきますからね。
    でも、今回彼らから呈示された素材は面白かった。TERUくんのイラストは、アメリカ人が描く雰囲気の絵だね。日本のイラストレーターが描くデッサンよりも味がある。自分の感情が素直に出ている。独特の感性があるよね。TAKUROくんのは歌詞。キャラクターの幅が広いような気がする。多元的な要素を持っている人じゃないかな。JIROくんは、写真はこういうものという概念に捉われてないのがいい。彼の日常への眼を感じる。HISASHIくんのは困った。ギターを、ペインティングしてみようとか燃やしてみようとかも思ったけど子持ちギターにした。グラフィックの展覧会は久しぶりなんです。あらゆるジャンルの仕事をしているし、しかも表現は多様に変化している。その変化を楽しんでほしい。そして感じてほしいですね。
    future

  • 14thシングル『SOUL LOVE』発売

    1998.04.29


    【収録曲】
    01.SOUL LOVE
    02.アイ
    03.SOUL LOVE instrumental

    REVIEW

    もう一方の「SOUL LOVE」、その表題曲はビートルズの「ペイパーバック・ライター」風の分散和音系のリフにGLAYお得意のユニゾン・バッキングが重なっていく。サビのメロディでTERUのトップ・ノートを確かめながら、そこに至るパートではさらにTERUの"3度上のコーラス"を加える念の入れよう……ここに現在のGLAYの詰めの高さを見る。 カップリングの「アイ」はHISASHIの楽曲で、かなり注目に値する。HISASHIの特長であるサイバーパンク的な音作りがもう一歩前進、ピンク・フロイドを思わせるシンセのループにサイコビリーをも射程に入れたギター、その他の音のコラージュも格段にキレがいい。もう一つ押さえるべきはHISASHlの歌詞で、愛/EYE/AIを巧みにマルチ・ファインダー化しながらファンタジーが現実を叩く物語を描いているところは、思ってもみなかった成長の証である。パワーブックに喜々として相対しているHISASHlの姿は想像に難くないが、その液晶画面から「輝くナイフか二つの眼の光で消してみせろ」という一節を呼び起こす彼は、GLAYの楽曲群にアナーキーな風穴をあけていく。そうしたHISASHIの楽曲を擁立させているGLAYのバンド基盤は、ますますアップ・グレードしているのではないか?
    2つのシングルというよりも4つの新曲というふうに僕はとらえたい。4曲をもって計られるGLAYの1998は、昨年以上に高密度なスペックを予想させる。この4曲が新しいツアーに投影されるかどうかはわからない。とはいえ、念入りな詰めの高さを持つ音源の存在は、確実にライブの広がりを約束するだろうと思う。TAKUROは「僕個人ではツアーはあまり得意ではない」と発言したが、ハードなツアーの中でこそ音源を超える瞬間が訪れたりもするのだ。もはやGLAYを超えていくものはGLAYしかいないのである。
    GB

    MEMBER'S COMMENT

    ―「SOUL LOVE」はいつごろできたんですか。
    TAKURO「1月中旬ですか。リハーサル・スタジオに入ってるときですね。「Little Love Birds」も「アイ」も「誘惑」も全部アレンジが終わって残りのシングル候補が4、5曲あって。「SOUL LOVE」はサビしかなかったんですよ。で、もう一曲どれにしようかってみんなに聴かせてたら、サビしかないけどこっちのほうがいいんじゃないかって。ちょっと時間をもらって、その場で残りのブリッジとかAメロとか作って。1日くらいでしたね。」
    ―「アイ」のモチーフはどういうものだったんですか。
    HISASHI「やっばりライブが好きなGLAYとメディアを通過するGLAYっていうバンドのバランスの崩れ具合みたいなものが自分の中でフラストレーションになったりしてて。そういう自分の中の葛藤みたいなものをという。」
    ―ふたつの価値観みたいな対比が出てくるでしょう。暗示的にそれが二つのGLAYということになる。
    HISASHI「しかもおもしろいのが「SOUL LOVE」と結構歌詞がダブってるんですよ。あんまりわからないんだけど。そういうのもおもしろいかなって内緒でやったんですよ。」
    ―え、これかな。"ふたつの影"。
    HISASHI「まあ。対局的な。シングル2枚も対局的だけど、1枚のカップリングも対局的でありたいなと。」
    TAKURO「今、初めて聞いた(笑)。「SOUL LOVE」っていう曲は97年のGLAYの状況の変化だったり『REVIEW』に対する今なりの答えだったりするという。何年かして振り返ったときに『REVIEW』を中心にしたGLAYっていうのは何だったんだろうっていう歌になると思うんです。HISASHIは、ある種のバランスの崩れ方からくるフラストレーションを書いたんだとしたら、俺はその時点での憧れを書いたみたいな。たぶん、同じときに感じてるんでしょうね。これからツ アーに出てみんなに会って『REVIEW』の成功のお礼を伝えるんだけど、それがこの曲だと。僕らと聴く側の心のやりとりがうまくいった証拠なんだよという
    ーそれは肯定的な見方という。
    TAKURO「うん。今の状況を否定するのは簡単なこと。忙しくて好きな人にも会いに行けないとか。でもそれを歌にするのは自分の中では。"ポップ"じゃない。それをやるのは今じゃない。世の中がちょっと見えたから汚いとか、それは当たり前過ぎるかなって思う。ある意味大人になりたいっていうことなんですね。そういうことをわかったうえで、ぐっとこらえて、まだ夢の続きを見たいって。」
    ―そういう意味ではすごくいいバランスの4曲でしょう。
    TAKURO「いやあ、今知りました。(笑)」不思議な関係でしたね。」
    ―「Little Lovebirds」も、すごく前向きな歌だし。
    TERU「今の状況だけじゃ満足しきれてないっていうことが、きっと出てると思うんですけど。まだ先はあるだろうし、飛び込みたいなって。」
    ―JIROさんの曲もあったんでしょう。それはアルバム用ですか。
    JIRO「いや、そんなことなくて。たまたま。アルバムを構想に入れながらの選曲だったんで。」
    TAKURO「詞が間に合わなかったりして。(笑)曲はみんなたくさん書いてたんだけど。でも、シングルって大して重要視してないんじゃないかな、俺たち。いつになるかわからないけどオリジナル・アルバムで評価されたいと思うし。いろんな面を両立させる可能性が見えてきた」
    ―アルバムはどういう進行ですか。
    TAKURO「どうなんだろう、夏ぐらいには見えるかな。まだメドは立ってませんね。」
    ―「SOUL LOVE」のビデオは「誘惑」と、両極端でしょう。
    HISASHI「ビデオの監督が両方とも違うん ですよ。それをいっしょに出すというのも楽しみのひとつで。」
    JIRO「「SOUL LOVE」のほうは今まで「Yes、Summerdays」のころからいっしょに作ってきたスタッフ。「誘惑」は全然お会いするのも初めて。発想がすごいおもしろくて刺激になりました。」
    TERU「「SOUL LOVE」は、今までの人間関係がそのまま出てるんだよね。気を許せちゃう。ほかのスタッフとだったらあんな顔は絶対にしてないよ。」
    ーテレビに出るときのメイクも変わってるでしよう。
    TERU「あれは「誘惑」仕様。(笑)今年はそういうところで遊んでいいかなって。やっと遊べる時期に入ったんじゃないかな。今までは自分たちの音楽を広めるっていうことを考えながらきたわけで。やっとわかってもらえて。今度は自分たちの好きなことをやってみようかと。似合わないよと言われても。(笑)」
    TAKURO「すごい自由だなって思うし。いろんな面を両立させる可能性が見えてきた。職入的に物を作ることもできるし、本当、衝動だけでもできる。ある意味、理想とする形に近づけるんじゃないかな。」
    Pati Pati

  • 13thシングル『誘惑』発売

    1998.04.29

    【収録曲】
    1.誘惑 
    2.Little Lovebirds 
    3.誘惑 instrumental

    REVIEW

    「97年のGLAYは3つの音源しか発表しなかった」一同時リリースされる2つのシングル「誘惑」と「SOUL LOVE」の発売を含めた、98年上半期活動計画記者会見の席でTAKUROはこう言った。3つの音源とはシングル「口唇」「HOWEVER」そして「HOWEVER」のカップリング「I'm yours」である。そこにベスト・アルバム『REVIEW』は入っていないが、セールスの日本新記録を樹立した。「口唇」と「HOWEVER」は、『BELOVED』までの、TAKUROの建設的かつ端正な作曲法がよリポップ・チューンとして凝縮された、言うなれば"一気に腕を上げた"楽曲であった。むろん、そこには"BELOVED YOU"ツアーや代々木第2体育館でのファン・クラブ限定スペシャル・アコースティック・ライブで楽器表現のポイントをつかんだ各メンバーの蓄積も貢献している(ボーカルもいちばんデリケートな主楽器だ)。ゆえに、去年オリジナル・アルバムがリリースされなかったことをいい意味にとらえれば、98年のGLAYは音源制作に関して表面張力のような欲求=エネルギーを持っているはずなのだ。4月29日に2枚同時リリースされるシングルは、彼らの制作エネルギーを正しい形で世に問うものだと言えるだろう。「誘惑」は「HlT THE WORLD CHART]的な粘るバンド・サウンドのイントロ・フレームに導 かれながら「ロ唇」にも通じる速いエイト・ビートが本編となる。"GLAYの王道ナンバー"。サビ~Aメロ~Bメロ~サビの後に再びイントロ・フレームが出てくるのであるが、ギター・ソロの前までのパートでJIROとHISASHIの成長の幅を聴きとることができるはずだ。TAKUROの建設し、培養する作曲法とメンバーのプレイがよくかみ合った曲だ。カップリングはTERUの詞曲となる「Little Lovebirds」。バラッドのような出だしでパワーポップ的になっていく"考えられた"曲だろう。詞は明瞭な"その愛があればいい"ラブ・ソングなのだけれども、エレクトリック・シタールの付け方やエンディングに向かって上昇していくリフ的なギター・ソロなど、パワーを上塗りしていく断定的な音が耳に残る。
    GB

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    4/5号のニュースでもお伝えしたので、もう読者のみなさまはご存じだと思うが、GLAYが待望の二ュー・シングルをリリースする。しかも2枚同時。先日行なわれた記者会見では「97年は新曲をあまり出さなかったので、98年は新しい曲をたくさん出したい」と言っていた彼らだが、そのことばどおりの4曲同時発売というわけである。ここまで大物になって、寡作になると思いきや、逆に”早く新曲をレコーディングしたかった"というのだから、GLAYの音楽に対する意欲の強さには改めてびっくりである。「何が楽しいかって、ライブで新曲をやる直前。それがバンドやってていちばん楽しい瞬間だからね」(HISASHI)
    「97年は、作品をつくることとは別の活動が多かったじゃないですか。ライブにしても、新曲ばっかりっていうツアーじゃなかったし。年末なんかは特にテレビばっかり出てて。レコーディングが楽しみでしょうがなかった」(JIRO)
    そんなメンバーの"レコーディングや りたい!”という気持ちが伝わるのだろうか、今回のシングル2曲は曲調はそれぞれ違うタイプだが、バンドのグループという点ではどちらもとてもイキイキとした勢いを感じさせる。特にアップテンポのロック・ナンバー「誘惑」は、ライブでの盛り上がり必至の疾走感が魅力だ。
    「この曲はすごくわかりやすく"97年のGLAY"を象徴する曲なんじゃないかな。ライブの本数とかもすごく多かったし、そこで得たグルーブ感みたいなものと本来もってるメロディアスな要素がうまく合体した曲だと思う」(JIRO)
    「俺、つくりながら部屋の中で踊ってたもん(笑)。ギターをもってハナ歌歌って、すごいライブが見えて自分で盛り上がりまくって(笑)」(TAKURO)
    音も生っぼくて、GLAYのロック・バンドとしての華やかさが感じられる。「これは、ほぼ一発録りだったんだよね」(HISASHI)
    「(レコーディングの)ノリ的には、ライブやってるような感じだったかな。それくらい盛り上がってたから。この曲はね、リズム感がみんないっしょだったっていうのがすごいよかったと思う。演奏自体は全体的にちょっと前のめりな演奏なんですよ。だから"勢いがある"って感じ てもらえたのはそこにあるのかもしれない、みんなの演奏自体が一丸になってたからそれはスゴイよかった」(JIRO)
    バンドならではの緩急自在のアレンジも、この曲のおもしろさのひとつ,サウンドのインパクトで聴かせる遊びの部分やハデなフレーズ、さらにひねりの利いた場面展開など、いわゆる洋楽的なアプローチでも楽しませてくれる。
    「こういう曲だと、声も楽器だと思うかもしれない。声も音の一部なんだから、だったらどんどんやったれ!っていう感じはあると思う。逆に『SOUL LOVE』みたいな曲は、ちゃんと聴かせどころを一点に集中させてっていう。そう いうつくり方が、自然とみんなでできるようになったと思う」(JIRO)
    「今回は"いい曲をやる"プラス"いい音を出すバンド"っていうのが大事だと思ってたんで、かなり音にこだわった。前よりもっと細かいサウンド・メイキングはしましたね」(HISASHI)
    「この曲は、キーはそれほど高くなくて、余裕はありつつもテンションでもち上げるっていう歌い方だったんですよね。だから、バックについていったっていうノリが強いかもしれない、みんなと同じ気持ちで。レコーディングもみんなと同じテンションでやることができたし、この曲はライブが楽しみですね」(TERU)
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  • HISASHI、北海道厚生年金会館のライブで骨折。5会場延期

    1998.05.18

    HISASHI、北海道厚生年金会館のライブで骨折。
    以降の5公演が延期になる。

    延期になった会場 ()内は振替公演日
    5月20日 函館市民会館 (6月11日)
    5月22日 仙台サンプラザホール (9月14日)
    5月23日 仙台サンプラザホール (9月15日)
    5月25日 岩手県民会館 (8月13日)
    5月26日 秋田県民会館 (9月1日)

    REVIEW

    2日目は開演前から、さらにハイな空気に包まれていた。
    楽屋では、現地のマスコミの取材やテレビのコメント録りが相次いでいた。地元の新聞、北海道新聞は、GLAYを企業広告に起用しているそうだった。函館の街の映像や、彼らのショットを入れながら、「すべてはここから始まった。夢を諦めないで―北海道新聞」というコピーがついているのだそうだ。地元の期待とあと押し。そんな熱気が取材陣の中にもこもっていた。
    1日目の夜、食事が終わってから、HISASHIと話をすることができた。彼は、先週のテレビ出演の忙しさについて話したあと、「ようやくツアーが始まった実感がする」と言った。そんな解放感はステージでいっそう発揮された。それはもちろん全員がそうだった。リハでは、初めて新しいアルバムの収録曲が演奏された。1週間の取材期間が終わったこともそうした解放感につながっていたのかもしれない。TERUはこれまでに見せたことのないステップで体を動かし、舞台監督に「そこのダンサー、大丈夫ですか?」と冷やかされたりしていた。彼は、「今日は調子いいです。2日目に強いんです」と、リハを締めくくった。冒頭から前日の密度をさらに増し、激しくしたようなステージングが披露された。怒涛のようなライブ。それは、終盤で最高潮に達した。本編の最後の曲では、ステージ前の花道に走り出たTAKUROが、客席に手を差し延べ、最前列の客にタッチし、HISASHIは、ギブソンのフライングVをオモチャの機関銃で擦りつけるかのように弾きまくってみせた。TERUが、花道に出て、客席に自分の顔を突き出して触らせるというあわやという場面が出現したのがアンコールのときだった。
    そして、その瞬間が来た。
    D.I.E.が、フロントを走り回って、JIROが、ペットボトルを客席に蹴り込んで、その後の瞬間だった。上手の花道に走っていったHISASHIの姿が消えた。TAKUROは、「お客さんの中に吸い込まれ るように消えた」と言った。そのまましばらく彼は上がってこなかった。ステージに困惑の表情が見えた。何が起きたのだろうという戸惑い。客席も、最前列と二階以外では何も見えなかったはずだ。何か起きたというざわめきが伝わってゆく。演奏はやまない。TOSHIのドラミングは一段と気迫がこもり、全員を引っ張っていく。警備員に抱えられてぐったりとしたHISASHIの姿が花道に消えた。
    TERUの「HISASHI!」コールが始まる。「HISASHI!HISASHI!」という声に会場の手拍子が加わる。彼がいないまま、ドラム・ソロに突入する。一度、袖に消えたTERUが姿を見せ「彼は大丈夫だ」というように両手を拳げて見せた。ライトが暗転し、闇の中に一瞬HISASHIかと思わせるブルージーなギター・ソロが流れた。ドラムにブルーのスポットが当たり、TOSHIはライトの入ったスティックを叩きつけるようにリズムを刻んでいる。不安を振り払うような演奏。TOSHIは、客席に「イエーイ!」という声をスティックで煽り、D.I.E.が下手の一段高い位置に置かれたドラのところにまわり渾身の力で横殴りに叩いてみせる。TERUは、「HISASHIは不死身だ、心配するんじゃねえ」と叫んでエンディングに向かった。大詰めのリフレインを何度も繰り返したあと、彼は「心配すんじゃねえ!」と二度叫んだ。HISASHIは、姿を見せないまま終わった。
    「そうとう楽しかったんだと思うよ。今日のライブがいかによかったかを証明してるよね」
    その夜、食事の席でJIROはそう言った。
    *
    函館の中止が決まったのは、19日の午後2時だった。僕らが札幌のホテルを出たときにはまだ決まっていなかった。ホテルでは、TERUのbay-FMのレギュラー番組の録音が始まるところだった。あの番組が、事故後最初のコメントになったのだろう。TERUは、どんな話をしたのだろうか。
    夕方、空港に向かう前に、もう一度、函館市民会館に寄った。払い戻しのチケットを手に入れようとダフ屋が集まつていた。
    振替日は、8月11日。このときはどんなライブになるのだろう。
    右足の骨折。HISASHIは、最後まで「ライブをやる」と言い続けていたそうだ。
    羽田に燈いた僕らを、「仙台他東北4公演の延期」という知らせが待っていた。
    PATi PATi

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    メタル製の松葉杖をつきながらインタビュールームに入ってきたHISASHIは、とても元気そうだった。ご存じのとおり、5月18日、北海道厚生年金会館の2日目に右足首を骨折した彼は、その後手術を受けて、今ここにいる。「大丈夫?」と声をかけると、「平気っすよ」と言って、彼はちょっと照れくさそうな笑顔を見せた。それにしても見た目は、かなり痛々しい。膝から足首まで添木をしている右足。ボルトを入れる手術をしたばかりで、まだギプスもできない状態だという。でも本人はいたって冷静で、平然と「これで念願のサイボーグに一歩近づいた」と笑う。元気そうなので、まずはひと安心。そしてゆっくりと席につくと、いきなり右足をテーブルの上にドカリとのせる。足首に血が溜まらないように、心臓よりも高くしていないといけ ないのだという。それにしてもあの日、なにが起こったのか。
    「ふだん、俺はどんなに煽られても、けっこう醒めてる方なんだけど、あの日は引き寄せられる感じがあったんですよ。なにかに呼ばれたというか、背中を押される感じがあった」とHISASHIは言う。
    「あっという間の出来事でしたね」とTAKUROも、あの瞬間を振り返る。「花道の最後まで行ったなと思ったら、そのまま止まらずに飛んじゃった。お客さんに吸い込まれてく感じ。今でもスローモーションで思い出せるくらい、すーっと消えてった。そのまま人の中に消えて、しばらく出てこなかった。で、出てきたらグッタリしてた(笑)」
    「俺は骨を折ったことがなかったけど、その時はすぐにわかった。ぜんぜん痛くなかったんですよ。でも立てなかった。舞台のそでに入ってた時間がすごく長く感じられてね。その間にこれからのスケジュールを考えちゃいましたね。ステージではTERUが"HISASHIは不死身だあ!"って叫んでるし(笑)。待っててくれた人にはホント申し訳ないと思うけど、8月と9月に完璧な姿でやります。楽しみにしててください」(HISASHI)。
    POP BEAT
  • HISASHI、大阪厚生年金コンサートより復帰

    1998.05.30

    ツアー中札幌厚生年金会館で骨折したHISASHIがこの日、大阪厚生年金会館より復帰。

    REVIEW

    ギタリストのHISASHI(26)が公演中に右足首を骨折した人気ロックバンドGLAYが30日、大阪市の大阪厚生年金会館で12日ぶりに全国ツアー「pure soul」を再開した。全治1ヵ月以上の重傷を負ったHISASHIは、ギプスで固定した右足を地面につけないよう苦心の連続。不死鳥をイメージさせるいすに軽く腰をかけた状態で序盤を乗り切り、中盤からは小さな台に右ひざを立て、フラミンゴスタイルで頑張った。時折、客席に向けて親指を立ててOKサインを送る余裕も見せた。27日に行ったツアー再開のリハーサルで編み出した異例の演奏スタイルだった。ファンの声援のほとんどがHISASHIで、ボーカルのTERU(26)は「きょうはHISASHIも元気だ!安心して騒いでいこう。いろいろあったけど、GLAYのままツアーの最後まで突っ走ります」と話し、構成の変更もなく19曲を歌った。HISASHIは18日の北海道厚生年金会館公演のアンコール演奏中に激しく動き過きてステージから転落。札幌市内の病院で右足首をボルトで固定する手術を受けた。本人はすぐにステージ復帰を希望したが、20日の函館から5公演を延期した。経過は良好で、6月中旬にはボルトを外す再手術が受けられるという。ツアーは9月中旬まで40本以上続くが、関係者は「もう日程に影響はないでしょう」と話している。
    日刊スポーツ